甘々とロマンス中毒
長方形の液晶の中、あやちゃんが頬杖をついた。

お星様が散りばめられる。王子さまの周りでキラキラエフェクトが輝く。私の周りには、ぽわ…んと可愛いピンク色が揺らめく。

きゃああああっ。
あやちゃんの髪さらさらだ。顔も近い〜〜っ。

ときめきポイント100点。
飲み終わりであっても完璧だ。私の王子さまは欠点がない。

平常を装って「こんばんは」と挨拶をする。
スマホの左上の数字を見上げた。
夜はこれから、20時55分。


「終わるの早かったんだね。酔ってないの?(ほっぺ、赤くないんだなぁ)」


私のパパは、お酒を飲むと耳の裏側まで真っ赤になる。ビール二杯が限界だ。

飲み会から帰宅したパパが、ママに「らんこちゃん、いつもありがとね。らんこちゃん、可愛い」とぎゅう〜っとするまでがワンセット。

そんな酔っ払いパパを見てるので、目もとろんとしてなくて、気怠げじゃないあやちゃんに意表を突かれた。お酒強いのかなぁ。


『俺は顔出しただけで、あんまり飲んでないんだよね』

んん?どういうこと?

『今日行ってたの、サークル飲みだったから』

「え。わ…ぁっ。サークル入ってたんだ!?」

『すげえ驚くじゃん』悪戯に微笑むあやちゃんが、甘い瞳を細める。

『んーん。入ってない。友だちに軽音サークルの奴がいてさ、店予約したのはいいけど何人か来れなくなったみたいで、伊吹と数合わせで呼ばれたんだよ』

「そうだったんだ…!」

『…………』

「二人が来てくれて、サークルの人たちも助かったね。ご飯いっぱい食べれた?」

『美味しいもん食えたし、酒も飲めたよ』

「(サークル…すごく、大人な感じ)」

『…あ!一咲のハンバーグには負けるけどな。オムライスも、まじで美味かったもん』
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