甘々とロマンス中毒
「(頭のなか、ハッピーアクシデントのことでいっぱい。それに……“また”不純な妄想を…。あやちゃん、ごめんなさい)」

再び人圧が押し寄せ、あやちゃんとぴったり密着する。行き場を失った両手は、胸の前でちょこんと大人しく固まった。

体はあやちゃんから離れず、どくん、どくんと、静かな熱を孕む。素肌の感触に身じろぎする。肩が跳ねた。

どうしてオフショルなんか選んだんだろうって、
今更後悔するの。

恥ずかしさのあまり、右目にころんと涙の雫が溜まった。


『ひゃ〜〜美男美女』

『俳優?モデル?』

『金髪の人、超かっこいい…!』

私たちのこと……?

『あれ…?わわ〜〜っ。あの人、雪村あやみ?』

……私たちだ!

『えっ。じゃあ、隣にいる人は彼女かなぁ。すっごく可愛い』

あやちゃんも聞こえてるよね。
……どう思ってるんだろう。


横から流れてくる会話の主へ、あやちゃんの腕の隙間を縫って、視線を向けた。セーラー服の女の子たちが頬を赤く染め上げている。その瞳は私を越して、あやちゃんへと持ち上がっていた。


『やっぱり、雪村あやみだった』

『目の保養…!かっこいいね』


彼女たちの周りで、ふわふわなピンクとハートが可愛く舞っている。

うん、そうだよね。
“見た目”だけじゃなくて声とか仕草とか、性格も
全部。あやちゃん、かっこいいもんなぁ。
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