甘々とロマンス中毒
既読を付けたままでいると、もう一度、通知音が響いた。「ひゃあっ」と声が上擦り、メッセージに目を通す。

「(ママから続き…。“あやみくんに送ってもらうことになってるなら、パパにはママがそれとなーく伝えるね☺️💓”って)」

画面に映される時刻は【19:40】
望月家の門限(私とお兄ちゃん)は20時。
タイムリミットは残り20分。

当たり前に間に合わない…っ!
わ〜〜〜っ!パパに怒られる、お小遣いも減らされちゃう。どど、どうしよう。

プチパニックに陥った私は、慌ててLINEの通話ボタンを押して、ママへ電話をかけた。


『はい…いさく、どうしたの?』

「ママ、ごめんなさいっ。私は悪い子なので、今日は門限守れないです」

『へ?…………エ?ええっ!?』


驚くママの後ろで『蘭子ちゃん、なんかあった?一咲から?』パパの声がする。胸がきゅうっとなる。

パパ、ママ。ゴメンナサイ……。一咲はあやちゃんへの恋心に勝てませんでした。

『大丈夫?』ママがゆっくり尋ねる。乱れた鼓動が、ママの柔らかい声音と優しい口調で一定のリズムを取り戻して、私は「ママ…あのね、今、あやちゃんとゲームセンターにいるの」と続けた。ママは、うんと相槌をつく。

正直に話したら、ママは「一咲の、あやみくんへ対する気持ちに、いつも素直なのは良いことだよ」って言ってくれた。門限をすっかり忘れてたことについては、ちゃんと叱られたけど、ここだけのお話。ママの“怒り方”は世界一可愛い。

それから、ママと約束をした。

・今日だけ“トクベツ”に20時30分まで延長
・パパへのアリバイ作りはママがしてくれる
・あやちゃんに家まで送ってもらうこと
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