年下研修医の極甘蜜愛
「答えにくいのなら、無理に答えなくてもいいよ」
「……あ、いえ。どうして、そんなこと聞くんですか?」
「秘書さんの仕事をどうこう言ってるわけじゃなくてね。ただ、彩さんは建築の仕事をしたくないのかなって思っただけ。免許を持っているのに」
「そ……、そうですね。でも、大学を卒業して五年もたったし、もう今さら……。技術職に就くには遅いと思います」
「そう? 様々な理由で休んだり、スタートラインに立つのが遅くなったり。いろんな人がいるんだから、まだ遅いってことはないんじゃない? 彩さんがしたいかしたくないか、それだけだと思うけどな」
どうして、急にこんな話を持ち出しすのだろう。意図がつかめず、彩は仁寿の横顔をうかがいながら次の言葉を待った。
「花火がよく見えるからラウレラを選んだって説明したけど……。本当はね、彩さんが興味を惹かれるんじゃないかと思ってあのホテルにしたんだ。確かラウレラは、建築の賞をとった施設だったよね?」
なんていう賞だったかな。僕は、まったく建築には詳しくないから忘れちゃった。と、おどけるように仁寿がつけ加える。
「よく、ご存知ですね」
「突然こんな話をされても困るよね。ごめん」
「いいえ」
「医局秘書の仕事が天職なら、それでいい。僕のお節介だから聞き流して」