年下研修医の極甘蜜愛
「ところで仁寿さん、目は大丈夫ですか?」
「あ、うん。まぁ、裸眼でも日常生活は問題ないんだけどね」
「……え?」
彩は耳を疑った。
――ちょっと待って。かっ、体を洗ってもらったとき、コンタクトをはずしているからよく見えてないって言ってなかった?!
顔がかっと熱くなって、すぐに血の気が引く。
「どうかした?」
「い、いえ。なんでもありません!」
彩は、恥ずかしさをまぎらわすように、バッグから折りたたまれたA3サイズの紙を取り出した。表計算ソフトで作られた、医師の勤務表を印刷したものだ。
「なに、それ?」
仁寿が隣から、彩の手元を覗き込む。
「先生たちの勤務表です。時間があるので、来月の当直と日直を組もうと思って」
「仕事熱心だね、彩さんは。でもそれは、医局長がするものじゃないの?」
「はい。でも、篠田先生は忙しいから代わりにわたしがやってます……って、これは内緒ですよ?」
「ふぅん」
「意外と骨が折れるんですよね。翌日の外来とかいろいろ考慮しないといけなくて、難しいんです。組めそうで組めないパズルみたいで」
「彩さんは、ずっと医局秘書の仕事を続けるつもりでいるの?」
勤務表を眺める彩に、仁寿が尋ねる。あまりにも不意を突く質問で、彩は返答に窮してしまった。