年下研修医の極甘蜜愛
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五月十一日。
少しだけ初夏の熱を含んだ日差しがふりそそぐチャペルで、仁寿と彩の結婚式が執り行われた。
厳かな聖歌が響く中、純白のウェディングドレスに身を包んだ彩が、父親の腕に手を添えてバージンロードを進む。白を基調としたチャペルは、二人の新しい人生の始まりにふさわしい白光に輝いていた。二人を祝福するのは、家族や親族、そして一緒に仕事をしてきた病院の仲間たちだ。
結婚の誓いを立て、仁寿が彩のベールを捲る。仁寿を見あげる今日の彩は、特段に美しい。
「彩さん、とてもきれいだよ」
「ありがとうございます。仁寿さんも素敵ですよ」
二人は見つめ合って、どちらからともなく唇を重ねる。誓いのキスは、柔らかくてあたたかくて、人前だということを忘れてしまうくらい甘かった。
式を終えた二人の薬指で、永遠の愛の証が輝く。
彩は今でも覚えている。そして、一生忘れないだろう。あの夜、仁寿が薬指にしてくれたキスの優しさを――。
--- 完 ---