年下研修医の極甘蜜愛
あの夜と同じように、体を洗って髪を洗って、湯船の中で膝を抱える。
一人暮らしの男性の家に行ったのは、大学生の時が最後だ。狭いワンルームは物が散乱していて、小さなキッチンもユニットバスも掃除がまったくされていなかった。トイレに座るのも気が引けて、一刻も早く帰りたいと思ったのを覚えてる。
それから相手の部屋には立ち入らない誓いを立てて不眠を解消してきたから、その他は知らない。
でもここは、新しいマンションだというのを抜きにしても、玄関も廊下もリビングも、余計なものがなくてきれいに片づいていると思う。病院にいる時間のほうが長いはずなのに、一人暮らしをするには広いこの家をいつ掃除しているんだろう。
――そうじゃなくて。
考えなきゃいけないのは、先生の生活じゃない。どうやって切り出せばいいの……? カビ一つ生えてない浴室を見回して、彩は深いため息をつく。
髪を乾かしてリビングに行くと、仁寿は食器を洗っている最中だった。あれこれ考えて長湯している間に、彼は夕食を作って食べ終わってしまったようだ。
――おかず、なにを作ったのかな。
彩はキッチンカウンター越しに、ビルトインのIHクッキングヒーターに乗ったままのフライパンを覗く。