年下研修医の極甘蜜愛
「彩さんが優しい」
「いえ。先生には、病気やケガなく研修に励んでいただかないといけないので」
立ちあがろうとして、ふと違和感を覚える。仁寿の顔と自分の下にある胴体を順に見て、彩はぎょっとした。ソファーから転がり落ちた時に、体の位置が入れかわってしまったらしい。仰向けの仁寿に跨って、ちょうど骨盤のあたりに自分のお尻が乗っていた。
「あぁ、いい眺め。彩さんに攻められるのもいいかもしれないね。想像するだけで、どきどきする」
赤面する彩に、満面の笑みで仁寿が言う。お尻に女子にはない異質なモノが当たっているのに気づいて、彩の顔はますます紅潮した。
「恥ずかしいから、そういう冗談はやめてください」
「冗談じゃないよ。割と本気」
「もう……」
困ったように眉尻を下げながら、彩は罪悪感を抱く。
仕事上の都合あれこれは、完全な建前だ。先生の気持ちを知っているのに、不眠から解放されたい一心で先生を利用した。
――わたしは、ずるい。
そういう対象に見ていないと言いながら、きっぱり断りきれない。矛盾だらけの優柔不断な行動と気持ちで、善良な先生を弄んでいる。なんて情けないんだろう。
「先生、今日は家に帰ります。ご迷惑おかけしてすみませんでした」
彩は、肩を落としてうつむく。とても仁寿の顔を見ていられない心境だった。