メロンクリームソーダトライアングル
自分の部屋のベッドに寝ころんだまま、天井に向って手を伸ばす。
掴みきれなかった幸せ、失ってしまった大好きな幼なじみ。
『紅亜くんすっごくおいしいよ、メロンクリームソーダを作ってくれてありがとう』
初恋を捨てきれない女々しい俺を責めるように、恋人として若葉と過ごした幸せな時間がフラッシュバックしてくるのがしんどくてたまらない。
はちきれそうな心臓の痛みに耐えられず、ギュっと目をつぶる。
ベッドに仰向け状態で、歪む表情を覆い隠すように両手の甲を顔に押し当てた時だった。
「いるんでしょ、話がある」
一番聞きたくない声の主が、ノックもせずに部屋のドアを開けたのは。
敵侵入、最悪、お前の顔なんか見たくないっつーの。
勢いよく体を起こし、ベッドから飛び降り、目も眉も吊り上げ戦闘モードへ。
「入っていいなんて許可していないんだが」と、腕組み仁王立ちの俺の鋭い眼光が目の前の甘音を射抜く。
微笑み王子を脱ぎ捨てるほど怒り心頭なんだろう。
甘音も甘音で、冷酷な視線を俺に突き刺してきて。
「ねぇ、若葉と別れた?」