天敵外科医さま、いいから黙って偽装婚約しましょうか~愛さないと言った俺様ドクターの激愛が爆発して~【愛され最強ヒロインシリーズ】
ふんぞり返ったあと、思い出したように自分の前に置いてあった前菜を食べ始める。私たちはデザートまで終わっちゃったんだけど。
「吉武先生がガサツではないですよ。ですが、まあ、確かに男女間の噂というものは広まるのが速いですからねえ」
教授が言いながら、ホットウーロン茶を口にする。
「ふむ、そうだなあ」
理事長は腕を組み、少し考えたあと「お」と頬を緩めた。
「名案、妙案、思いついたぞ」
「なんですか理事長」
結構なスピードで、けれど育ちの良さのせいか上品に箸を動かす香月先生に、理事長は目を細める。
「婚約しなさい」
「……は? 誰と」
「お前と、吉武先生」
私はキョトンとして、香月先生と顔を見合わせ、それからふたり揃って大声で叫ぶ。
「ええええ⁉」