天敵外科医さま、いいから黙って偽装婚約しましょうか~愛さないと言った俺様ドクターの激愛が爆発して~【愛され最強ヒロインシリーズ】

 香月先生と私の婚約を発表すると、病院は蜂の巣をつついたような大騒ぎになった。

「一体何があったら志季子が香月先生と婚約する運びになるわけえ?」

 質問攻めにあい逃れてきた入院棟のナースステーションで、亜香里は心底不思議そうに首を傾げた。

「こっそりと愛を育んできたってことですよね! 素敵です」

 キラキラした瞳で両手を組むのは川上さんだ。

「あの俺様な香月先生が、吉武先生だけには甘々溺愛で王子様でラブラブなんですよねっ?」
「ふふふ」

 私は引き攣った笑みを浮かべた。甘々溺愛? 王子様? なんて思いながら昨日のことを思い出す。



※※※


 昨日、私は最低限の荷物を抱え、香月先生の家へと引っ越した。
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