天敵外科医さま、いいから黙って偽装婚約しましょうか~愛さないと言った俺様ドクターの激愛が爆発して~【愛され最強ヒロインシリーズ】
※※※
香月先生との日々は思ったより平穏だった。
……性格が合わなすぎることを除けば。
「帰宅早々、焦げたヤバい匂いがするから来てみれば、どうやったらそんな黒い焼き魚が誕生できるんだ」
テーブルの上にある、お皿に乗せられたサンマを見ながら香月先生は心底不思議そうに首を傾げた。
「ブラックホール大爆誕。どうした、恒星が寿命でも迎えたか?」
完全に煽ってきている。
「……タイマーのミスかしら」
私はすっとぼけ、だだっぴろいシステムキッチンで呟く。窓の外はすっかり暗い。
とはいえいつもより早く帰宅できたため、夕食を作ろうとしたらこれだ。
日本家屋に住んでいるんだし、和食にしようとサンマを買ってきた。最寄りの駅前スーパーのサンマの価格には目玉が飛び出るかと思ったけれど。さすが高級住宅地、スーパーもセレブ御用達のお店だった。
「タイマー? そんなわけがあるか。君が設定したんだから。機械のせいにするな」
淡々と言われムッとしつつ、焼け焦げたサンマの横に炊き立てのご飯を置く。炊飯器だけ別で買ってきていた。なんか喧嘩になりそうだったからだ。幸い広いので置く場所はいくらでもある。
大根おろしはパウチタイプを買ってきていた。
この家にはキッチンダイニングのほかに、食堂がある。
おそらくかつては、お手伝いさんがここで調理をして、家の人たちは食堂で食事をしていたのだと思う。
香月先生は非効率的だからとキッチンにテーブルを設置してダイニングに改造していた。
キッチンが広いからできた荒業だ。
「いいか、魚の脂が流れていくんだからそのあたりを考えて焼け。表六分に裏四分と言うだろう」
「……焼けていればいいでしょう、細かいことはともかく。アニサキスさえ死んでいれば」
表六分なんて聞くの初めてでなんだか悔しくて、ぼそぼそと言い返す。香月先生は眉を寄せた。
「医者が細かくなくてどうする」
「サンマは患者じゃないので」
すまし顔を作り言い返すと、先生は呆れた顔をして、スーパーの袋からサンマを取り出す。
香月先生との日々は思ったより平穏だった。
……性格が合わなすぎることを除けば。
「帰宅早々、焦げたヤバい匂いがするから来てみれば、どうやったらそんな黒い焼き魚が誕生できるんだ」
テーブルの上にある、お皿に乗せられたサンマを見ながら香月先生は心底不思議そうに首を傾げた。
「ブラックホール大爆誕。どうした、恒星が寿命でも迎えたか?」
完全に煽ってきている。
「……タイマーのミスかしら」
私はすっとぼけ、だだっぴろいシステムキッチンで呟く。窓の外はすっかり暗い。
とはいえいつもより早く帰宅できたため、夕食を作ろうとしたらこれだ。
日本家屋に住んでいるんだし、和食にしようとサンマを買ってきた。最寄りの駅前スーパーのサンマの価格には目玉が飛び出るかと思ったけれど。さすが高級住宅地、スーパーもセレブ御用達のお店だった。
「タイマー? そんなわけがあるか。君が設定したんだから。機械のせいにするな」
淡々と言われムッとしつつ、焼け焦げたサンマの横に炊き立てのご飯を置く。炊飯器だけ別で買ってきていた。なんか喧嘩になりそうだったからだ。幸い広いので置く場所はいくらでもある。
大根おろしはパウチタイプを買ってきていた。
この家にはキッチンダイニングのほかに、食堂がある。
おそらくかつては、お手伝いさんがここで調理をして、家の人たちは食堂で食事をしていたのだと思う。
香月先生は非効率的だからとキッチンにテーブルを設置してダイニングに改造していた。
キッチンが広いからできた荒業だ。
「いいか、魚の脂が流れていくんだからそのあたりを考えて焼け。表六分に裏四分と言うだろう」
「……焼けていればいいでしょう、細かいことはともかく。アニサキスさえ死んでいれば」
表六分なんて聞くの初めてでなんだか悔しくて、ぼそぼそと言い返す。香月先生は眉を寄せた。
「医者が細かくなくてどうする」
「サンマは患者じゃないので」
すまし顔を作り言い返すと、先生は呆れた顔をして、スーパーの袋からサンマを取り出す。