天敵外科医さま、いいから黙って偽装婚約しましょうか~愛さないと言った俺様ドクターの激愛が爆発して~【愛され最強ヒロインシリーズ】

 その数日後。
 帰宅するとキッチンに香月先生が立っていた。今日は茄子と豚肉を味噌で炒めている。

「ううっ、いい匂い」
 思わず呟きながら、冷蔵庫に買って来た食材を入れる。

「君もナスなのか」
「豚もです。なんで食べたいもの被るのかしら」
「知らん」

 呆れたように言う香月先生は、ちょうど料理を作り終わったらしい。やっぱり定食屋さんみたいに料理を並べ、きちんと手を合わせる。

「はあ、相変わらず美味しそう。昔からお上手なのですか?」

 料理を覗き込み聞けば、「いや」と彼は端的に答えた。

「どっかの研修医に“医者の不養生”だのと指摘されたからな」
「……やっぱり覚えてらしたんじゃない」

 私が眉を下げるも、先生は無言で食事を続ける。

 なんだかんだで懐が深い人なのかな……?
 どうなんだろう、ただの俺様だと思っていた香月先生だけど、それだけじゃないみたい。

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