天敵外科医さま、いいから黙って偽装婚約しましょうか~愛さないと言った俺様ドクターの激愛が爆発して~【愛され最強ヒロインシリーズ】
カーテン閉め忘れちゃった。まあ、広い庭のお陰で、外から覗かれるようなお邸ではない。
私はベッドサイドに戻り、シャッと分厚いカーテンを閉める。
真っ暗だと点滴しているし危ないかな、とベッドのヘッドボードにあったリモコンで常夜灯に切り替え、ふふふと笑う。
こんなにアンティークなお邸なのに、こういうのは私が使っているものとそう変わらない。
ふと目線をベッドに向ける。常夜灯でぼんやりした空間で、先生は規則的に寝息を立てている。
「嫌な夢を、見ませんように」
熱があるときって、変な夢を見がちだから。
私は彼の額にそっと指先で触れ、汗ではりついた前髪をかき上げる。さっき拭いたばかりなのに……まあ、解熱されている証拠だ。
私はそっと彼から離れ、静かに部屋を出て行った。