ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
*
翌日。
「あの、だから私は……」
「おかしいだろ、急に。今まで普通にしてたのになんでなんだよ?」
帰宅直前、元恋人の小山雄平に捕まった。
オフィスのエントランスへ向かうには給湯室の前を通らなければならないけれど、そこで待ち伏せしていた雄平に捕獲されてしまった。
雄平も本社勤務だ。店舗での勤務を一年経て本社へ異動した彼とは、私自身の異動後にも頻繁に顔を合わせていた。
ふたつ年上の恋人に、大人の魅力や包容力を期待していた頃もあった。
私と職場が一緒になったことを、雄平はとても喜んでいた。それが一年も経たないうちにこんな事態になって、困惑する気持ちは分からないでもない……とはいっても。
別れのきっかけとなった暴言について、雄平は納得できないと言って聞かない。
今日の用件も〝別れた本当の理由を教えろ〟というものだった。
押し問答が始まり、すでに十分が経過している。
雄平の口調は徐々に私を責める調子に変わってきていて、私はそのせいで自分に非があるかのような錯覚に陥ってしまう。
人前でひどいことを言われてつらかった、と何度も伝えているのに「それだけ?」とさも不満そうに問われる始末だ。
私だってうんざりしていた。
いや、むしろ。
翌日。
「あの、だから私は……」
「おかしいだろ、急に。今まで普通にしてたのになんでなんだよ?」
帰宅直前、元恋人の小山雄平に捕まった。
オフィスのエントランスへ向かうには給湯室の前を通らなければならないけれど、そこで待ち伏せしていた雄平に捕獲されてしまった。
雄平も本社勤務だ。店舗での勤務を一年経て本社へ異動した彼とは、私自身の異動後にも頻繁に顔を合わせていた。
ふたつ年上の恋人に、大人の魅力や包容力を期待していた頃もあった。
私と職場が一緒になったことを、雄平はとても喜んでいた。それが一年も経たないうちにこんな事態になって、困惑する気持ちは分からないでもない……とはいっても。
別れのきっかけとなった暴言について、雄平は納得できないと言って聞かない。
今日の用件も〝別れた本当の理由を教えろ〟というものだった。
押し問答が始まり、すでに十分が経過している。
雄平の口調は徐々に私を責める調子に変わってきていて、私はそのせいで自分に非があるかのような錯覚に陥ってしまう。
人前でひどいことを言われてつらかった、と何度も伝えているのに「それだけ?」とさも不満そうに問われる始末だ。
私だってうんざりしていた。
いや、むしろ。