ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
「うん。あんたは赤のほうが似合うから、そのほうがいい」
「っ、あ、ありがとう、ございます……」
これは……恥ずかしい。
それに、地味という言葉ばかりに気を取られていたけれど、さっき彼は『綺麗』と口にした。今頃になってそれを思い出し、私の羞恥は状況を無視して勝手に大きくなっていく。
なんだこれ。ただの、デート、みたいだ。
勘違いしてしまいそうな自分を、心の中で叱咤する。顔見知りの店主の前だから、この人はわざとこういう振る舞いを見せているだけだ。
ふと沓澤代理に視線を向けると、彼はマダムと談笑しながらポケットチーフを選んでいた。ちらりと私に視線を向けて悪戯っぽく微笑む彼の手元には、私に選んでくれたスカーフと同じ色と柄のチーフがあった。
なんでそういうことするんだろう。
それではまるで普通のカップルみたいで、気まずいにもほどがある。
沓澤代理が腹の中でなにを考えているのか、私にはさっぱり分からなかった。
「っ、あ、ありがとう、ございます……」
これは……恥ずかしい。
それに、地味という言葉ばかりに気を取られていたけれど、さっき彼は『綺麗』と口にした。今頃になってそれを思い出し、私の羞恥は状況を無視して勝手に大きくなっていく。
なんだこれ。ただの、デート、みたいだ。
勘違いしてしまいそうな自分を、心の中で叱咤する。顔見知りの店主の前だから、この人はわざとこういう振る舞いを見せているだけだ。
ふと沓澤代理に視線を向けると、彼はマダムと談笑しながらポケットチーフを選んでいた。ちらりと私に視線を向けて悪戯っぽく微笑む彼の手元には、私に選んでくれたスカーフと同じ色と柄のチーフがあった。
なんでそういうことするんだろう。
それではまるで普通のカップルみたいで、気まずいにもほどがある。
沓澤代理が腹の中でなにを考えているのか、私にはさっぱり分からなかった。