ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
試着室を出て、沓澤代理にも見てもらった。
一瞬、微かに目を見開いて見え、しかし次の瞬間には彼はあごに指を置いて思案顔になる。
「うーん。綺麗……だけど地味だな、特にそのスカーフ」
「えっ? だ、駄目ですか?」
「柄はそれでもいいよ。こっちの色は?」
マダムが手にしている数点のスカーフの中から彼が選んだのは、私がつけている紺色のスカーフと同じ柄で、色だけ違うもの。こっくりとした深い赤色の品だった。
……地味だから変えるんじゃないのか。あまり変化がなさそうだ。そう思いつつも、その場でささっとつけ替える。
首から抜き取ったスカーフの感触はつるつると滑らかで、いかにも高価なアイテムだという感じがして、いまさらながら肝が冷えた。スカーフをつけ替えて再び沓澤代理へ向き直ると、彼はにこやかに微笑んだ。
一瞬、微かに目を見開いて見え、しかし次の瞬間には彼はあごに指を置いて思案顔になる。
「うーん。綺麗……だけど地味だな、特にそのスカーフ」
「えっ? だ、駄目ですか?」
「柄はそれでもいいよ。こっちの色は?」
マダムが手にしている数点のスカーフの中から彼が選んだのは、私がつけている紺色のスカーフと同じ柄で、色だけ違うもの。こっくりとした深い赤色の品だった。
……地味だから変えるんじゃないのか。あまり変化がなさそうだ。そう思いつつも、その場でささっとつけ替える。
首から抜き取ったスカーフの感触はつるつると滑らかで、いかにも高価なアイテムだという感じがして、いまさらながら肝が冷えた。スカーフをつけ替えて再び沓澤代理へ向き直ると、彼はにこやかに微笑んだ。