ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
薄い微笑みを鈴香へ向けるさまを眼前にして、面白がっているのだと悟る。
しかもそうと理解が及んでいるのは私だけで、多分、鈴香は沓澤課長渾身のイケメンスマイルにあてられている。あまりの性質の悪さにくらりと眩暈がした。
なぜか鼻を押さえて「ありがとうございましたァ!」と叫ぶや否や、鈴香は中学時代に培ったしなやかな脚力をもって厨房へ走り去っていく。
私は私で、逃げるように店を出た。お母さんと旦那さんへ興奮気味に事情を説明する鈴香が容易に想像でき、恥ずかしすぎてまた眩暈がした。
のれんに手をかけた途端、あはは、と声をあげて笑い出した沓澤課長をギッと睨みつける。
「あー美味かった、それに面白かったな。また来ような?」
「沓澤さんとはもう絶対来ません……!!」
この人が一緒でもそうでなくても、しばらくここには来られそうにない。
溜息さえも震わせながら、私は足早に彼の車へ戻った。
しかもそうと理解が及んでいるのは私だけで、多分、鈴香は沓澤課長渾身のイケメンスマイルにあてられている。あまりの性質の悪さにくらりと眩暈がした。
なぜか鼻を押さえて「ありがとうございましたァ!」と叫ぶや否や、鈴香は中学時代に培ったしなやかな脚力をもって厨房へ走り去っていく。
私は私で、逃げるように店を出た。お母さんと旦那さんへ興奮気味に事情を説明する鈴香が容易に想像でき、恥ずかしすぎてまた眩暈がした。
のれんに手をかけた途端、あはは、と声をあげて笑い出した沓澤課長をギッと睨みつける。
「あー美味かった、それに面白かったな。また来ような?」
「沓澤さんとはもう絶対来ません……!!」
この人が一緒でもそうでなくても、しばらくここには来られそうにない。
溜息さえも震わせながら、私は足早に彼の車へ戻った。