ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
小走りに廊下を進み、階段の手前で誰かとぶつかる。
すみません、と顔を上げた先にいたのは三浦さんだった。三浦さんは驚いたように目を見開いて私を見ていた。
「どうしたの、那須野さん? 顔色真っ青だよ?」
「す、すみません。前をよく見ていなくて」
「いや、俺はいいけど……体調でも悪いの? 大丈夫?」
『体調でも悪いのか?』
三浦さんの声と前日の沓澤課長の声が無駄に重なる。
また泣き出したくなって、もういい加減にしろと自分に毒づいた。
嫌になる。こんなにも弱い自分を、今にも嫌いになってしまいそうだ。
「大丈夫です。その、頭痛が……ちょっと」
「そ、そうなの? 無理しないほうがいいんじゃ」
「本当に大丈夫です、これから薬を飲みますので。すみません、心配をおかけしてしまって」
強引に口角を持ち上げて笑う。
三浦さんはまだ納得いかなそうな顔をしていたけれど、「無理しないでね」と思慮深そうな声で囁いただけだった。
早々に背中を向け、私はフロアに戻った。
すみません、と顔を上げた先にいたのは三浦さんだった。三浦さんは驚いたように目を見開いて私を見ていた。
「どうしたの、那須野さん? 顔色真っ青だよ?」
「す、すみません。前をよく見ていなくて」
「いや、俺はいいけど……体調でも悪いの? 大丈夫?」
『体調でも悪いのか?』
三浦さんの声と前日の沓澤課長の声が無駄に重なる。
また泣き出したくなって、もういい加減にしろと自分に毒づいた。
嫌になる。こんなにも弱い自分を、今にも嫌いになってしまいそうだ。
「大丈夫です。その、頭痛が……ちょっと」
「そ、そうなの? 無理しないほうがいいんじゃ」
「本当に大丈夫です、これから薬を飲みますので。すみません、心配をおかけしてしまって」
強引に口角を持ち上げて笑う。
三浦さんはまだ納得いかなそうな顔をしていたけれど、「無理しないでね」と思慮深そうな声で囁いただけだった。
早々に背中を向け、私はフロアに戻った。