ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
『今日、体調悪かったんだって? 大丈夫?』
「え? だ、誰に訊いたの、そんなこと」
『三浦さんから。真っ青な顔してたって、すごく心配してたよ?』
盲点だった。果歩と三浦さんに、プライベートで連絡を取り合うほどの繋がりがあったとは。
けれどいわれてみれば、夏に開催された本社全体の納涼祭のとき、くじ引きで席がたまたま隣同士になっていた。宴会が終わる頃までふたりで話し込んでいた気もする。
恋人と別れたばかりだった当時の果歩が、珍しく楽しげに男の人と話していることに、小さな驚きと安堵を覚えた記憶が確かに残っていた。図らずもぐるぐると脳裏を巡った記憶の数々は、果歩の穏やかな声に掻き消される。
『ねぇ、ゆず。なにかあったの?』
「……え?」
『なんかつらいこと、ひとりで抱えちゃってない?』
つらいことを、ひとりで。
そのひと言が優しすぎて、自然と涙が浮かんだ。
「果歩。あのね、私」
「え? だ、誰に訊いたの、そんなこと」
『三浦さんから。真っ青な顔してたって、すごく心配してたよ?』
盲点だった。果歩と三浦さんに、プライベートで連絡を取り合うほどの繋がりがあったとは。
けれどいわれてみれば、夏に開催された本社全体の納涼祭のとき、くじ引きで席がたまたま隣同士になっていた。宴会が終わる頃までふたりで話し込んでいた気もする。
恋人と別れたばかりだった当時の果歩が、珍しく楽しげに男の人と話していることに、小さな驚きと安堵を覚えた記憶が確かに残っていた。図らずもぐるぐると脳裏を巡った記憶の数々は、果歩の穏やかな声に掻き消される。
『ねぇ、ゆず。なにかあったの?』
「……え?」
『なんかつらいこと、ひとりで抱えちゃってない?』
つらいことを、ひとりで。
そのひと言が優しすぎて、自然と涙が浮かんだ。
「果歩。あのね、私」