ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
あのメッセージはさすがにやりすぎだったかもしれない。
それでなくても、もう少し早めに送るべきだったかもしれない。
反省が頭を掠める。
連絡先が端末に入っていることを思い出したのがあのタイミングだったから、あれ以上早く送るのは無理だったけれど、一度浮かんだ罪悪感は、薄いわりになかなか消えてなくならない。
とはいっても、私は私で仕事が終わってからも業務に拘束されているようなものだ。さっさと用件を済ませてしまおうと、私はバッグから例のクリアファイルを取り出した。
「あの、昼頃に沓澤社長に呼び出されまして、就業時間後に沓澤代理へこちらの書類を届けてほしいと……」
どちらも〝沓澤さん〟な上に淡々と口を動かしたせいで、早口言葉みたいになる。
沓澤代理も同じことを感じたのか、寝起き特有のぼうっとした素振りを見せつつも、ぐっと眉を寄せている。別に私は早口言葉を楽しんでいるわけでは……と不本意に思いながら、私はクリアファイルを彼へ差し出した。
決まり悪そうにファイルを受け取った沓澤代理は、普段からは想像もつかないほどぼそぼそと言い訳がましく喋り始めた。
それでなくても、もう少し早めに送るべきだったかもしれない。
反省が頭を掠める。
連絡先が端末に入っていることを思い出したのがあのタイミングだったから、あれ以上早く送るのは無理だったけれど、一度浮かんだ罪悪感は、薄いわりになかなか消えてなくならない。
とはいっても、私は私で仕事が終わってからも業務に拘束されているようなものだ。さっさと用件を済ませてしまおうと、私はバッグから例のクリアファイルを取り出した。
「あの、昼頃に沓澤社長に呼び出されまして、就業時間後に沓澤代理へこちらの書類を届けてほしいと……」
どちらも〝沓澤さん〟な上に淡々と口を動かしたせいで、早口言葉みたいになる。
沓澤代理も同じことを感じたのか、寝起き特有のぼうっとした素振りを見せつつも、ぐっと眉を寄せている。別に私は早口言葉を楽しんでいるわけでは……と不本意に思いながら、私はクリアファイルを彼へ差し出した。
決まり悪そうにファイルを受け取った沓澤代理は、普段からは想像もつかないほどぼそぼそと言い訳がましく喋り始めた。