ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
「那須野は真面目だな。えらい」
一瞬ぽかんとして、直後に顔が熱くなる。
沓澤代理は本当に整った顔をしていて、そんなふうに笑いかけられたら誤解してしまう女の人だってたくさんいそうで、それを仕方ないことだとも思って、でも。
でも、私はそうなっちゃ駄目なんだ。
鈍い痛みが胸を走り抜けていく。
「え、いや……普通だと思いますよ」
「はいはい。ほら、早くそれくれ。ゆずの」
今度こそ息が詰まった。
今、これだけ動揺しているときに限ってその言い方はやめてほしい。誤解も勘違いも絶対に避けたくて踏み留まった心が、一気に底まで転落してしまいそうになる。
この人、私の下の名前、知らないのかな。
毒づくようにそんなことを思い、私は少し雑な仕種で柚子はちみつの飴缶の蓋を開けた。
一瞬ぽかんとして、直後に顔が熱くなる。
沓澤代理は本当に整った顔をしていて、そんなふうに笑いかけられたら誤解してしまう女の人だってたくさんいそうで、それを仕方ないことだとも思って、でも。
でも、私はそうなっちゃ駄目なんだ。
鈍い痛みが胸を走り抜けていく。
「え、いや……普通だと思いますよ」
「はいはい。ほら、早くそれくれ。ゆずの」
今度こそ息が詰まった。
今、これだけ動揺しているときに限ってその言い方はやめてほしい。誤解も勘違いも絶対に避けたくて踏み留まった心が、一気に底まで転落してしまいそうになる。
この人、私の下の名前、知らないのかな。
毒づくようにそんなことを思い、私は少し雑な仕種で柚子はちみつの飴缶の蓋を開けた。