ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
年齢的な問題というより、私自身の問題だ。
考えられない。
考えたいと思う相手も今はいないし、そのことに焦りや不安を感じているわけでもない。誰かに必要以上に気を遣う必要もなく、自由だ。縛られもしない。休日にひとりでふらっと出かけるなんて、雄平と付き合っている間は基本的になかった。
本音を言うなら、少し寂しく感じる日もある。でもそれだけだ。
気が軽い。しばらくこのままでいいかな、と思う。傷ついている自覚はあまりないけれど、きっとまだ、つけられた傷は癒えていないのだとも思う。
「ねぇゆず。あたし、ゆずに気遣い上手なハイスペックイケメンが降ってきますようにって祈ってるから!」
「いや、そんなこと祈らなくていい……それよりなら残業ゼロとか祈っててよ~」
怒ったり悲しげだったり、くるくる表情を変えていた果歩がやっと楽しそうに笑う。
一緒になって笑った私は、このとき、露ほども想像していなかった。
まさか本当に、自分のパーソナルスペースに、顔見知りとはいえハイスペックイケメンが降ってきた挙句、その人物にとんでもない要求をされることになるなんて。
考えられない。
考えたいと思う相手も今はいないし、そのことに焦りや不安を感じているわけでもない。誰かに必要以上に気を遣う必要もなく、自由だ。縛られもしない。休日にひとりでふらっと出かけるなんて、雄平と付き合っている間は基本的になかった。
本音を言うなら、少し寂しく感じる日もある。でもそれだけだ。
気が軽い。しばらくこのままでいいかな、と思う。傷ついている自覚はあまりないけれど、きっとまだ、つけられた傷は癒えていないのだとも思う。
「ねぇゆず。あたし、ゆずに気遣い上手なハイスペックイケメンが降ってきますようにって祈ってるから!」
「いや、そんなこと祈らなくていい……それよりなら残業ゼロとか祈っててよ~」
怒ったり悲しげだったり、くるくる表情を変えていた果歩がやっと楽しそうに笑う。
一緒になって笑った私は、このとき、露ほども想像していなかった。
まさか本当に、自分のパーソナルスペースに、顔見知りとはいえハイスペックイケメンが降ってきた挙句、その人物にとんでもない要求をされることになるなんて。