ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
《2》押しに押される
私が勤める会社は、県内では名の知れた、老舗の菓子店兼土産物店の本社だ。
元々は県内外に置かれた十数店ほどの店舗経営が主軸だったところ、十年近く前に開始したインターネット通販で、ある商品が一躍殿堂入りした。それからは規模を大幅に拡大し、そちらの分野にも参入を果たしている。
私は、短大を卒業してここへ入社した。
今年で四年目になる。
最初の二年は、郊外の店舗で販売スタッフとして勤めていた。
それが昨年、営業課の事務枠に欠員が出たことで、突如本社に異動となったのだ。現場とは畑違いの営業事務として働き始め、ようやく一年と少しが経つ。
短大卒の店舗スタッフが入社数年で本社勤務に抜擢されるという前例が少なかった分、辞令を交付されたときは胃が痛かった。
とはいっても、本社には同期の果歩が入社当時から在籍していた。部署こそ違うものの、彼女にはかなりプレッシャーを和らげてもらった恩がある。今では仕事にもだいぶ慣れ、上司や同僚にも、過度な緊張を覚えることなく接せている。
「那須野さん。頼んでおいた申請書一式、どこまで進んでます?」
元々は県内外に置かれた十数店ほどの店舗経営が主軸だったところ、十年近く前に開始したインターネット通販で、ある商品が一躍殿堂入りした。それからは規模を大幅に拡大し、そちらの分野にも参入を果たしている。
私は、短大を卒業してここへ入社した。
今年で四年目になる。
最初の二年は、郊外の店舗で販売スタッフとして勤めていた。
それが昨年、営業課の事務枠に欠員が出たことで、突如本社に異動となったのだ。現場とは畑違いの営業事務として働き始め、ようやく一年と少しが経つ。
短大卒の店舗スタッフが入社数年で本社勤務に抜擢されるという前例が少なかった分、辞令を交付されたときは胃が痛かった。
とはいっても、本社には同期の果歩が入社当時から在籍していた。部署こそ違うものの、彼女にはかなりプレッシャーを和らげてもらった恩がある。今では仕事にもだいぶ慣れ、上司や同僚にも、過度な緊張を覚えることなく接せている。
「那須野さん。頼んでおいた申請書一式、どこまで進んでます?」