ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
果歩も今、きっとそんな状態なのだ。
割りきって新しい恋を探し始めるには、まだ傷痕が癒えきれていない。
黙りこくる私を目に留めた果歩は、パイシューの最後のひと口分をフォークで刺し、ぽそりと声を零した。
「ねえ。ゆずは」
「ん?」
「ううん、やっぱりなんでもない。あ、そうだ! 来月の全社合同の納涼会なんだけどね、うちの課の課長がね……」
この語り方のテンションから察するに、新しい噂話かもしれない。
そう思いつつ果歩の話に耳を傾けているうち、話題はいつしか別のものへ移り変わっていく。
ひたすらに続く堂々巡りを抱えているのは、私だけではないのかも。
ぐるぐるの頭の中を振りきるように、私は小さな安堵とともに、今ぐらいはと悩み自体を忘れることにした。
割りきって新しい恋を探し始めるには、まだ傷痕が癒えきれていない。
黙りこくる私を目に留めた果歩は、パイシューの最後のひと口分をフォークで刺し、ぽそりと声を零した。
「ねえ。ゆずは」
「ん?」
「ううん、やっぱりなんでもない。あ、そうだ! 来月の全社合同の納涼会なんだけどね、うちの課の課長がね……」
この語り方のテンションから察するに、新しい噂話かもしれない。
そう思いつつ果歩の話に耳を傾けているうち、話題はいつしか別のものへ移り変わっていく。
ひたすらに続く堂々巡りを抱えているのは、私だけではないのかも。
ぐるぐるの頭の中を振りきるように、私は小さな安堵とともに、今ぐらいはと悩み自体を忘れることにした。