ナルシストと恋は de キュン!
「雛子……あれ」
「うん――どしたの?」
美柑が楠を見上げて固まっている。
何ごとかと私も見上げると、楠の様子がおかしいことに今さらながら気づいた。
なにあれ?
ずいぶんとカラフルだけど。
スマホをかざして、カメラモードで拡大して画面越しに確認してようやくわかった。
葉っぱ一枚一枚に写真がくっついてる……。
写真はすべて鳴雄が写っているものばかり。
そういうことか、満開の花ならぬ満開の鳴雄の写真。
これが「我壱鳴雄を見る会」の正体……。
くだらなさすぎて、正気を疑うが、相手は最初から正気を保っているのかどうかも怪しい奴。そんなことを気にする時点ですでに敗北している気がする。
「あははっ、あの変なお兄ちゃんがいっぱい写ってるー」
「動画配信したら、バズりそー」
この子たちはいつぞやの小学生二人組。
面白がって、スマホを楠に向けていて、よく見たら、ブルーシートに座っている他の下僕の皆さんも、カメラを向けていてちょっとした撮影会が始まっていた。