ナルシストと恋は de キュン!





「雛子……あれ」
「うん――どしたの?」 

 美柑が楠を見上げて固まっている。
 何ごとかと私も見上げると、楠の様子がおかしいことに今さらながら気づいた。

 なにあれ?
 ずいぶんとカラフルだけど。

 スマホをかざして、カメラモードで拡大して画面越しに確認してようやくわかった。

 葉っぱ一枚一枚に写真がくっついてる……。

 写真はすべて鳴雄が写っているものばかり。
 そういうことか、満開の花ならぬ満開の鳴雄の写真。

 これが「我壱鳴雄を見る会」の正体……。

 くだらなさすぎて、正気を疑うが、相手は最初から正気を保っているのかどうかも怪しい奴。そんなことを気にする時点ですでに敗北している気がする。

「あははっ、あの変なお兄ちゃんがいっぱい写ってるー」
「動画配信したら、バズりそー」

 この子たちはいつぞやの小学生二人組。
 
 面白がって、スマホを楠に向けていて、よく見たら、ブルーシートに座っている他の下僕(ペット)の皆さんも、カメラを向けていてちょっとした撮影会が始まっていた。

 




< 101 / 106 >

この作品をシェア

pagetop