ナルシストと恋は de キュン!
「よくぞ集まった、下僕の諸君」
なんっちゅう場所から登場してんの⁉
楠の中から枝葉を広げて、姿を見せた。
ってか、ずっと木の上に隠れていたってこと?
そこから「とぉー」という掛け声とともに。木の上からジャンプしてクルクル回って木の下へ着地した。
「ぞんぶんに我という花を堪能するがよい」
「あはははっ、鳴ちゃんは今日も冴えてるね~」
完全にネタだと思って、爆笑している商店街の人たちを中心とした下僕の面々。言っておくが、アイツは本気でそう考えている。
「いつも、鳴くんのことを尾けているお姉ちゃん、良かったらこれでも食べて?」
「ありがとうございます」
今日は、花見だけの予定だったようだが、せっかくだからと商店街の皆さんが、テントをはじめ、豚汁やおにぎり、お茶などを持ち寄ってくれたそうだ。
「そろそろ我から重大な発表をしたいと思う」
「どうした? 鳴ちゃん、結婚でもするのー?」
どっと笑い声が湧く。
お客さんの一人が冗談で放った言葉だと知っているのに体がこわばる。重大な発表って、こんなにあらたまって言われると美柑同様、イヤな予感がしてきた。