ナルシストと恋は de キュン!




「これは……トマトジュースですね。宗志さん」
「――ふぇ、ホント?」
「本当です。トマトジュースの匂いがしますから」

 源もなかが、動物の頭蓋骨の入った小型ボウルに指を入れて、その指の匂いを嗅いで答えた。真似できないこと過ぎて凄いが、本物のアレだったらどうするつもりだったんだろう……。

「なんだ。ちょっとビックリしちゃった。じゃあ村を見回ってみましょう」

 立ち直りがすごい。
 あんなに泣き虫モードだったのにもう大丈夫そう。

 でも、私の親友は……。

「美柑~帰ろうよ。怖いよぉぉ!」

 目を覚ました途端、騒ぎ始めた。
 
「では、ナンバー(エイト)とモブはここで待っていれば? 私と宗志さんの二人で村を見て回ってくるから」
「いや、ボクも伊予さんがいないとちょっと……」

 立ち直っているけど、まだ少し怖いのかな?
 
「わかった。美柑、絶対この手を放さないでね?」
「うん、まかせて」

 数分ほど時間をかけて、ぐずる雛子を説得して4人一緒に村を回ることにした。
 雛子が美柑の右手をぎゅっと握っててちょっと痛いくらい。それほど怖い思いをさせてちょっと申し訳ない気持ちになる。

 それに……。

 美柑だって、もしバスの運転手が話していた謎の集団がいたら、さすがに怖いと思う。だから雛子に手をぎゅっと握られてて逆に美柑もちょっと安心できる。






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