ナルシストと恋は de キュン!
「ふむ、下僕たちはここで何をしているのだね?」
「私たちはボスを探してこの村に来ました」
「なるほど……そういうことか」
相変わらず主導権は源もなかに握られたまま。
それより、どういうことだろう?
さっぱり訳がわからないけど、鳴雄サマは何かに気づいたみたいに大きくうなずいた。
弟君や、雛子は鳴雄サマを見て、安心したのか、その場でへたりこんだ。
「我はある人物を探してここへ来たのだ」
ある人物?
いったい誰のことを探してこんな山奥の村なんかに来たんだろう。
「今、その答えがわかる。誰かの弟よ」
「えっ、ボクのこと?」
弟君に急に話を振った。弟君もよく意味がわからず聞き返した。
「この扉を開けないと、扉が漫画のように吹き飛ぶが、良いか? 10秒数える……いーち、ごー、はーち……」
『――ガチャ』
――玄関のドアが開いた。
「ちょっと待ってよ。10秒じゃないじゃんそれ……」
「えっ……兄様がふたり……」
慌ててドアを開けた人物は鳴雄サマにそっくり。そっくりというか、もう同一人物。見分けがつかないくらい。ただ浮かべている表情は、いつだって自信に満ち溢れすぎて洪水状態な鳴雄サマと違って、どこか目が泳いでいて、オドオドとしている感じがする。