ナルシストと恋は de キュン!
大企業の社長や政治家の子どもが通うエリート高校に通い出したが、そこでも旧財閥の名は別格で、妬む者も多かったそうだ。
弟君の兄は、容姿だけは誰よりも整っているが、それ以外はすべて平凡。勉強も運動も何もかも普通すぎて、「見かけ倒し征一郎」とか「鷹がトンビを生んだ」とか馬鹿にされて、数週間が経った頃、急に何もかもイヤになったそうだ。
それで彼が赤ん坊から世話係をしていた男性に頼んで、廃村となった村を丸々、買い取り、エキストラを雇って、バス停で降りてもらったりと色々とこの村の怖い噂を広めて、人を遠ざけてここで有意義にゲームをして過ごしていたという。
「なるほど! 実にくだらん。我にそんな理由で迷惑をかけおったとは……」
今度は鳴雄サマが口を開いた。
鳴雄サマの方は、駅のバスターミナルで変な集団が多くの人に目撃され、映像や画像がSNSに拡散されたが、何かの撮影じゃないかと次第に忘れ去られていったが、エキストラの中に混じっていた征一郎と鳴雄サマを勘違いした人が、最近になってSNSで鳴雄サマにあれは何だったのかとしつこく連絡してきたという。
そこで、鳴雄サマはそのSNSで連絡してきた人物から場所を聞いて、昨夜からあちこちで情報収集して、当時エキストラの一人を見つけ出し、ある方法を使って、この村に隠れている白宮征一郎のことを吐かせてやってきたという。
村の中のトマトジュースに漬けた頭蓋骨や、より不気味さを演出するために定期的にエサやりをして、カラスを餌付けしていることまで聞いたそうだ。――そこまで全部吐かせるなんてどんな方法を使ったのかちょっと気になる……。