大好きだった元彼と再会しましたが、私はもう結婚しています。
私は住所を告げ、穂高はナビに入力し、前を向いたまま車を発進させた。
街灯がフロントガラスを横切るたび、運転席の横顔が一瞬だけ浮かび上がる。
お酒のせいなのか、さっきの言葉のせいなのか……全然落ち着かない。
だからなのか、気づけば私は口を開いていた。
「あの、色々と……ありがとうございます」
「別に送るくらい気にしなくていい」
「いえ、これもですけど、違うんです。……匡輔の、元夫の浮気を知ったとき、私以上に怒ってくれてたって。弁護士のあかり先生も、部長がもし何かあればって紹介してくれたって……」
「……全く、姉さんは」
低くつぶやき、穂高はハンドルに視線を落とした。
信号で停まると、短く息を吐く。