大好きだった元彼と再会しましたが、私はもう結婚しています。

「すまない。上司としてはよくないことだよな。あまりに個人的に介入しすぎてる……分かってても、止められなくて」
「そんなことないです。……嬉しかったですよ」

 自分でも驚くほど素直な言葉がこぼれた。

「あの時、みんなに支えられてるって思ったけど……部長も、すごく心配してくださってたんだって。なんとなくは感じてましたけど……それがはっきりして本当に嬉しかった」
「心配するのなんて当たり前だ」

 迷いなく返ってくる声。街の光が横に流れていくのを見ながら、その言葉が心に染みていく。

(ただの『部下への気遣い』じゃない、んだよね)

 勘違いじゃなくて。
 思い上がりでもなくて……。

(私はそれをきちんと正面から受け取っていいんだよね?)

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