大好きだった元彼と再会しましたが、私はもう結婚しています。
「千紘の『したくて仕方ない』って顔、久しぶりに見たな」
キスの合間に穂高が小さく呟いて、私はムッとする。
「穂高の方がもっとそうだよ。昔から我慢がきかないのは穂高の方なんだからね」
指摘すると、穂高は恥ずかしそうに笑った。
「そうだな。それに……今、久しぶりに名前呼んでもらって嬉しかった」
「え? 私、呼んでなかった?」
「俺は何度か口が滑って『しまった』って思ったタイミングもあったけど、千紘の方はもう完璧でさ」
「えぇ、そうかな」
心の中ではいつだって『穂高』って呼び続けていた気がする。
でも確かに穂高の方は口が滑りすぎてた、と指摘すると、穂高は眉を下げてごめんと言いながら笑っていた。