大好きだった元彼と再会しましたが、私はもう結婚しています。

 次の日の早朝、肩をやさしく揺らされる感覚で目が覚めた。

「おはよ、千紘」
「あ……穂高。おはよう」

 寝起きのぼんやりした視界の中に、穂高の顔があって。
 思わず、へにゃっと頬がゆるんでしまう。

 穂高は軽く笑って、当たり前のように私の額にキスを落とすと、ゆっくりと身体を起こした。

「体調は大丈夫か? 生理痛、いつも二日目がきつかっただろ」
「うん……今日は薬飲んどく。でも大丈夫。以前より効く薬見つけたからだいぶマシになったんだよ」
「そうか。ならよかった。無理しないように。辛かったら仕事中でも言うんだぞ」
「分かってるよ」

 声に優しさがあふれている。
 比べるつもりはないけれど、胸の奥でどうしても感じてしまう。

(……あぁ、そういえば匡輔は私の体調を気にしたことなんて、一度もなかったな)

 そういう違和感の積み重ねもあって、浮気をされていなくてもどこかで限界に来ていたかもしれない。
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