大好きだった元彼と再会しましたが、私はもう結婚しています。

「今、すごく康太くんの気持ちわかった気がする」
「康太?」
「うん。穂高さん穂高さんって懐いてて、料理も教えてるんでしょう? 康太くん、きっと穂高と料理するの楽しいんだよね」
「康太、かわいいよな。すごく懐いてくれる」
「わかるよ……二人の並んだところも見てみたいなぁ」

 思わず口にしたら、穂高がふっと笑った。

「早めに二人で姉さんの家に行こう。色々心配もかけたし、ちゃんと報告しないとな」

 『報告』という言葉が穂高らしい。きちんとしたいと言われているようで嬉しかった。

 ふいに穂高が私の顎に手を添え、くいっと持ち上げる。唇を重ねた。

「ふぅんっ……ちょ、朝食たべよ」
「もうちょっとだけ。職場じゃ、絶対にできないだろ」
「うん、職場では絶対ダメだからね」

 私がそう言うと、穂高が微笑み、また唇を重ねてきて何度かキスをした。

 最後は額と額を合わせて、ふたりで笑い合った。
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