大好きだった元彼と再会しましたが、私はもう結婚しています。
でも……あの夜、穂高に告白した時。
あの瞬間だけは、胸の奥からどうしようもないほど『したい』って気持ちが湧いてきた。自分の中にそんな気持ちがまだ眠ってたんだって驚いた。
それからも、今だってそうだ……。
(でも……こうして『場』を用意されると、無性に恥ずかしい!)
そんな矛盾した自分を、今になって初めて知る。
「千紘?」
「ふぁいっ!」
「どうしたの?」
「いやぁ、せっかくだからお風呂に入りたいなぁとか思って……」
「そうだな。俺も入りたい。入りに行こうか」
私の葛藤など何も気づいてなさそうな穂高は、ゆったりと微笑んでいる。
(あぁ……落ち着かないのは私だけだ……)
彼はなんでこんなに落ち着いているのだろう。