大好きだった元彼と再会しましたが、私はもう結婚しています。

 土日不在だった自宅を軽く掃除しながら、ぼんやりと余韻にひたっていた。

 ――その時、玄関チャイムが鳴った。

 モニターを覗いた瞬間、血の気が引く。

(……なんで?)

「開けろよ。いるんだろ、千紘」

 匡輔の声。喉の奥がひゅっと締まる。
 胸が激しく脈打つ。嫌な予感しかしない。
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