大好きだった元彼と再会しましたが、私はもう結婚しています。
「あ、もう時間だ。和穂、保育園行くよ。今日はママが送り迎えだからね」
「はーい!」
鞄を肩にかけようと頑張っている和穂を見守っていると、穂高にそっと腕を引かれた。
次の瞬間、穂高の唇がそっと重なる。
ちゅ、と小さな音がする。視線が合って、ふたりで笑った。
「気を付けて、いってらっしゃい。千紘、和穂」
「パパ、いってきまーす!」
「いってきます。穂高も行ってらっしゃい」
「あぁ、行ってくる」
私は彼と築いたこの毎日が、この先もずっと続くように――
いや、ずっと続けられるように、自分もちゃんと前を向いて、手を取りあって歩いていこうと思っていた。