大好きだった元彼と再会しましたが、私はもう結婚しています。
いつもなら、自分と違う意見には必ず反論してくる千紘が、そのときは黙り込んだ。
何を言っても結婚という選択肢を取らないと悟ったのだろう。
その後も、俺はずっと付き合っていられる方法を模索しようとした。けれど、考え方はどうしても相いれなかった。
喧嘩が増え、千紘は泣きながら「離れたくない」とぶつけてくる。俺だって同じだった。
【分かった、別れよう】
彼女が泣き叫んで、そして最後に一通だけメッセージを残して消えた。そして、留学期限を終えた彼女は日本へ帰国した。
彼女がいなくなってから、俺は途端に研究にも行き詰まった。
彼女を支えていたつもりだったのに……支えられていたのは俺の方だった。
何度か連絡を取ろうとしたが、すでに彼女は大学を卒業し、どこで何をしているのか分からない。
俺は諦めきれないまま、アメリカで日々をこなしながら……ただ彼女の帰りを待っていた。