大好きだった元彼と再会しましたが、私はもう結婚しています。

「これ、母さんの好きなミートソース。あとはゆっくり話してください。僕、勉強があるので」

 そして、エプロンをとり、自室の扉に手をかける直前、ふと振り返った。

「千紘さんの話、僕は母さんからじゃなくて穂高さんから聞いてましたよ。……今日お出ししたメニュー、すごくおいしそうに食べてたって……穂高さんがあなたのことを話してたから。穂高さん、あなたのことだけ、すごく愛しそうに話すんです」

 その言葉に目の前が霞んだ。

< 88 / 209 >

この作品をシェア

pagetop