辺境に嫁いだ皇女は、海で真の愛を知る
そして港の市場や倉庫で顔を合わせるたび、
互いの小さな気遣いや優しさを確認し合う。

デクランが手伝いの作業員に
笑顔で声をかける姿を見て、
ファティマは心が温かくなる。

ファティマの知恵と判断力で
交易がスムーズに進むのを見て、
デクランは尊敬の念を抱く。

こうして、
二人の距離は徐々に縮まっていった。

孤独の中で芽生えた信頼、
互いを思いやる心――
小さな日常の積み重ねが、
二人を急速に結びつけていった。
< 10 / 165 >

この作品をシェア

pagetop