辺境に嫁いだ皇女は、海で真の愛を知る
申し訳なさそうに、
そして希望を託すように、
彼女はデクランを見つめる。
「……どうか、姉上を助けてください。
お姉様は、誰よりも優しく誇り高い人。
あの帝国に奪われていい人ではないのです」
デクランは強くうなずいた。
「必ず救い出します。何があっても」
声が震えていたが、
それは決意の震えだった。
それまで黙っていたオルランドが
さらに一枚の紙を差し出した。
そこには、
普通の地図にはない“地下水路”が描かれていた。
「実は我々の国には地下に夥しい水路が張り巡らされている。大昔から水の都として栄えたこの国には今はもう使われなくなった水路もたくさんあるのだ。この地図は私が家臣に命じて作らせた最新版だ」
「これは見事だ……」
「これを完璧に把握している者は、今では私ぐらいだ。
クレオールはもちろん存在すら知らない。
この水路を使えば、ドラゴニアの国境近くまで迫ることができる。
デクランは胸に熱いものが湧き上がる。
「ありがとうございます、国王陛下。
あなたの助けがなければ、私はドラゴニアへと足を踏み入れることさえできなかったかもしれません……」
そして希望を託すように、
彼女はデクランを見つめる。
「……どうか、姉上を助けてください。
お姉様は、誰よりも優しく誇り高い人。
あの帝国に奪われていい人ではないのです」
デクランは強くうなずいた。
「必ず救い出します。何があっても」
声が震えていたが、
それは決意の震えだった。
それまで黙っていたオルランドが
さらに一枚の紙を差し出した。
そこには、
普通の地図にはない“地下水路”が描かれていた。
「実は我々の国には地下に夥しい水路が張り巡らされている。大昔から水の都として栄えたこの国には今はもう使われなくなった水路もたくさんあるのだ。この地図は私が家臣に命じて作らせた最新版だ」
「これは見事だ……」
「これを完璧に把握している者は、今では私ぐらいだ。
クレオールはもちろん存在すら知らない。
この水路を使えば、ドラゴニアの国境近くまで迫ることができる。
デクランは胸に熱いものが湧き上がる。
「ありがとうございます、国王陛下。
あなたの助けがなければ、私はドラゴニアへと足を踏み入れることさえできなかったかもしれません……」