辺境に嫁いだ皇女は、海で真の愛を知る
「いいえ。私たちにできるのは、ここまでなのです。
ドラゴニアが気づけば、アルドレインを容赦なく粛清するでしょう……。」
「実は我々は既にドラゴニアに喧嘩を売っているのだ。クレオールに姫を差し出せと言われたが、我々は拒否した。彼女はヴァリニア王国に嫁ぎ、ヴァリニアと強力な繋がりができたが……それでもなお、ドラゴニアの軍艦が我が国の港に駐留している。王妃の姉君とあれば救いたいのは山々だが、我々の立場では下手に動けない。」
フィロメナとオルランドは
苦しい胸の内を正直に明かしてくれた。
デクランの瞳を見据え、
フィロメナの瞳が強く光った。
「デクラン王子。どうか……愛する人を、救いに行ってください。そのために私は手紙を書いたのですから」
その言葉にデクランの胸が震える。
(ファティマ……
君の家族の中に、こんなにも君を想ってくれている人がいるんだよ)
しばしの沈黙の後、
フィロメナは静かに口を開いた。
「……姉上は言っていました。
“アズールティアの王子は不思議な人。
私なんかを、いつも気遣ってくれるの”って」
デクランの心臓が跳ねる。
「そして……
“あの笑顔に、何度救われたかわからない。
だけど、この気持ちは知られてはいけない”とも」
デクランの呼吸が一瞬止まった。
フィロメナは微笑んだ。
「姉上は、あなたを想っていますよ。
必死にその思いに蓋をしているけれど」
その言葉はデクランの胸に深く刺さり、
同時に強烈な力を与えた。
(ファティマ……君も……僕のことを……)
胸の奥に広がる温かい熱。
それが決意へと変わる。
ドラゴニアが気づけば、アルドレインを容赦なく粛清するでしょう……。」
「実は我々は既にドラゴニアに喧嘩を売っているのだ。クレオールに姫を差し出せと言われたが、我々は拒否した。彼女はヴァリニア王国に嫁ぎ、ヴァリニアと強力な繋がりができたが……それでもなお、ドラゴニアの軍艦が我が国の港に駐留している。王妃の姉君とあれば救いたいのは山々だが、我々の立場では下手に動けない。」
フィロメナとオルランドは
苦しい胸の内を正直に明かしてくれた。
デクランの瞳を見据え、
フィロメナの瞳が強く光った。
「デクラン王子。どうか……愛する人を、救いに行ってください。そのために私は手紙を書いたのですから」
その言葉にデクランの胸が震える。
(ファティマ……
君の家族の中に、こんなにも君を想ってくれている人がいるんだよ)
しばしの沈黙の後、
フィロメナは静かに口を開いた。
「……姉上は言っていました。
“アズールティアの王子は不思議な人。
私なんかを、いつも気遣ってくれるの”って」
デクランの心臓が跳ねる。
「そして……
“あの笑顔に、何度救われたかわからない。
だけど、この気持ちは知られてはいけない”とも」
デクランの呼吸が一瞬止まった。
フィロメナは微笑んだ。
「姉上は、あなたを想っていますよ。
必死にその思いに蓋をしているけれど」
その言葉はデクランの胸に深く刺さり、
同時に強烈な力を与えた。
(ファティマ……君も……僕のことを……)
胸の奥に広がる温かい熱。
それが決意へと変わる。