俺様御曹司はパイロットになって愛しい彼女を迎えに来る
葬儀は父親が鳥取から来てくれてすべて仕切ってくれた。近所の祖母の友人以外呼ぶ人もなかったので、本当に簡易的な葬式だった。

リビングに枕棚に使ったものを葬儀屋から譲り受けて、その上に二人の位牌とお骨を、置いて仏壇の代わりにした。

二人一緒に写っている写真を額に入れてその横に置いた。

本当に仲の良い夫婦だったので、長く離れていられなかったのだろうと空はそう思って諦めた。

父親はすべて済んだ後で、空に鳥取に来るかと聞いてくれたが、空は父親には成人するまで保護者の役はお願いしたいが、高校も変わりたくはないし大学に入ったらこの家を出て、アパートに住むつもりだが、それまではここに一人でいると言った。 

父親は少しほっとしていたようだ。自分が入り婿で入っている家に大きな娘を住まわせるのは気が引けるだろう。

祖父母はお金もしっかりと残してくれていたし、大学に行く費用も心配しなくても済んだ。

古くて小さな家だったけれど郊外の住宅地だったので、貸しても売ってもいいと弁護士の先生が言ってくれた。

高校はあと1年と少しだ。大学が決まった時に考えればいいと空は思っていた。

だから、父親には心配しなくても大丈夫だと言って鳥取に帰ってもらった。

それからは、学校でも隼人と健吾と空はいつも一緒にいた。

二人は一人暮らす空を心配してよく空の家に遊びに来て夕飯を食べて三人でゲームをしたり夜遅くまでいてくれた。

一年の終わりの大晦日から二人は家に来て三人でテレビを見て夜中に近くの神社に初詣に行った。

そして家に帰って空の作るお雑煮やおせちを食べてくれた。

それぞれの家の家族に申し訳ないと思いつつ、空には二人の思いやりが嬉しかった。

隼人と空が付き合うようになっても三人でいる事には変わらなかったが、休日に隼人と二人で時々デートするようになったのだった。

でも俺様の隼人と気の強い空は、つまらない事でよくケンカをして健吾が間に入るという図式が出来上がっていった。
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