俺様御曹司はパイロットになって愛しい彼女を迎えに来る
空も隼人もお互いが初めての相手だったのだ。

高校の卒業式の日だった。

もうすぐ離れ離れの大学に行く事が決まっていた二人は、卒業式の後、空の家に行ってゲームしたりいろんな話をして盛り上がっていたのだが、ふとした瞬間に二人の視線がぶつかった。

お互いの瞳の奥には、真剣な顔をしたお互いの姿が写っていた。

そしてその瞳の奥にはまだ青いが真摯な情熱が見えた。

言葉は必要なかった。

二人は磁石に惹かれるようにぴったりくっついて、離れなかった。

しばらくすると隼人が

「空、先にシャワー浴びてこい。俺ちょっとコンビニ行ってくる」

そう言って出かけて行った。

空は“あ~、そう言う事か、隼人以外としっかりしてる”そう思ったのを思い出した。

空も覚悟を決めてシャワーを浴びたっけ、初めては隼人が良いとずっと思っていたのだ。

隼人はコンビニに避妊具を買いに行って、近くの公園のベンチに座り携帯で“初めてのSEX”で検索をして手順や初めての相手をどのように気遣うかまたよくある失敗などの項目をさらっと読んで気持ちを落ち着かせていたとあとで教えてくれた。

俺様な隼人だが、真面目で優しい男なのだ。

空が辛くないように少しでも快感を得られるように、最善を尽くしたいと思っていたのだろう。

空はシャワーを浴び終わって、自室のベッドに腰かけがちがちに緊張して隼人を待っていた。

隼人もシャワーを浴びて空の部屋に来た。

そして二人して緊張しながらベッドの上で向かい合った。それもお互い正座して…

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