俺様御曹司はパイロットになって愛しい彼女を迎えに来る
そして、今日は4人がそろって夕食を食べれる日だった。 

空は小夜子さんたちとランチに出かける前に下ごしらえをしておいたグラタンを、オーブンに入れてサラダとトマトと生ハムのカルパッチョにオニオンスープも用意した。ガーリックライスもある。

出来上がってみんなで食卓を囲み食べ始める。

明日のお弁当のおかずになるような献立ではないので、おかずは冷凍してあるチキンと副菜に作る物を少しづつ入れようと考えながら、グラタンを口に入れたタイミングで

「実は俺と空は、一緒に暮らしたいと思っているんだ。もちろん空がこんな風にみんなの時間が合うときは夕食を作ってくれるのは、反対しないが普段は二人の時間を尊重してもらいたい。だから、食事代も俺が全部負担するから問題ない」

と急に爆弾を打ち込むもんだから、のどに詰めそうになってお茶を飲んでむせた。

「隼人、急にそんなこと言いださないでよ。まだ美空ともちゃんと話してないのに」

「今、話せばいいだろう。それに健吾も美空も報告あるよな」

「うん、空と隼人がうじうじしてるもんだから、言い出せなかったんだけど俺と美空も一緒に暮らしたいと思っていたんだ。俺の部屋よりこっちの部屋の方が一部屋余分にあるから出来たら、俺がこっちに引越してきたいんだ。空はそれで構わないか?」

と健吾が聞いてきた。美空を見ると赤い顔をして知らんぷりを決め込んでいる。恥ずかしがり屋の美空は、空に言い出せなかったのだろう。

「美空はそれでいいの?何も言ってくれなくてびっくりするよ」

「それなら空も同じじゃない。隼人のこと好きなくせに二人とも想いあってるのがまるわかりなのに、いつまでたっても一線を越えないんだから、ヤキモキしてたんだからね」

「じゃあ、健吾がこの部屋に移って来て、空が俺の所に移ってくるという事でみんな問題ないんだな」

「「「うん」」」

全員一致であっさりと、二組の同棲が決まった。

健吾と美空は移る前にそれぞれの実家に挨拶に行くと言っている。

もちろん結婚を見据えているのだろう。幸せになってほしい。

二人とも空にとってはとても大切な親友たちなのだ。

空の方は挨拶に行くようなところはないが、カナダの隼人の家族の所には、長いお休みが二人一緒に取れたら行こうと言う事になった。
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