俺様御曹司はパイロットになって愛しい彼女を迎えに来る
しかしこれは捨て置ける問題ではなかったので、隼人にも了解を取って上司に報告をした。

隼人をめぐっての野崎とのやり取りや当日のゲートでの状況をすべて報告書に書き込んで提出した。

隼人も当日の機長に話をしてくれて、真相が究明されることになった。

関係者全員に聞き取りがされたのだ。

こちらのスタッフはすべてきちっと搭乗券のバーコードや携帯やICカードのQRコードの読み取り機械の数を合わせてCAに報告しているのでそれが違うという事になれば、機械を全部調べなければならず、今回の事は気楽に流せるような問題ではないのだ。

野崎はゲートの状況などはあまり詳しく把握していなかったようだ。

野崎の班のCAに数字が違うとゲートスタッフに言うように、指示がしてあったらしい。

そのCAもそんなに大層なことになるとも思わず野崎の指示に従ってしまったと言って、涙ながらに謝罪をしたようだ。

そうして野崎の空への嫌がらせの為に大層な事になってしまったのだ。

班は全員減給三か月となり、今回の騒動の主犯である野崎は減給六カ月乗務禁止一年という厳しい措置が下された。

野崎はその後すぐに辞表を提出した。

野崎と一緒に空を呼び出して嫌味を言った腰ぎんちゃく1,2,3は空に謝罪をしてくれた。

そして隼人には今度も事件になるまで何も言わなかったと言って叱られた。

でもこの一件で隼人と空の事は会社内に知れ渡った。

隼人が空の担当ゲートから乗り込むときには機長もCAもゲートスタッフから冷やかされるようになってしまい。

空は隼人が乗務するゲートになるのに躊躇してしまったが、そんな事も三カ月ほどで落ち着いた。

そして空はまた楽しく業務に邁進する日々を満喫していた。
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