天下無双なヴァンパイアは番を探し続ける

6 本当は優しい

神牙さんは私の震えが止まるまで何も言わずに隣にいてくれた。

さっきまでだったら、そのまま逃げて泣いていたかもしれない。


けれど、今は違う。
『関わるな』と言われたけど、お礼だけは言いたかった。


「……ありがとう」


その一言をちゃんと伝えようと思った。


神牙さんは少しだけ、驚いた顔をしてから、ふっと口元を緩めた。


「……別に礼なんかいらねぇよ。俺が勝手にやっただけだし」


でもその顔には、確かにとこか嬉しそうな気配が見えた。

気にするなという、気遣いが伝わってくる。


今まで怖いと思っていた世界が、優しくなった気がした。


明日も神牙さんから避けないで生活ができるかはわからないけど──

今日、私は、ほんの少しだけ強くなれた気がした。


「……もう、大丈夫か?」


神牙さんの声に、私は小さくうなずいた。


「うん……ありがとう」

「そっか。じゃ、行くぞ。送ってく」


衝撃な言葉を放った神牙さんに、目を丸くする。
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