天下無双なヴァンパイアは番を探し続ける

7 どういうこと?

なにか言おうとしていたとき、不意に、背後から風が吹いた。


「っ……!」


風の中に、ひどく冷たい視線を感じた気がして、私は思わず振り返る。

でも、そこには誰もいなかった。──はず、なのに。


神牙さんが一瞬だけ険しい顔になる。


「……やっぱり来てるのか」

「え?」

「帰るぞ、沙音(・・)。今日はもう遅い」


初めて名前を、呼びかけるように優しく呼ばれた。

最初も呼ばれたけど、あれは、呼ぶためだけに呼んでいたから、なんだか新鮮だ。


けど、今はそんな雰囲気じゃない。


「……神牙さん──今の、なに?」

「……お前はまだ知らなくていい」


そう言いながらも、神牙さんは私の手を強く引いた。

まるで、何かから私を遠ざけるように──
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