天下無双なヴァンパイアは番を探し続ける
(どういうこと?)
心の中で疑問を言っても、決して口には出さなかった。
神牙さんの真剣な表情が心に残っていたから……。
ヴァンパイアが人間よりも体温が低いはずなのだろうか。
神牙さんの、その手のひらが、ほんのりと熱を持っていたことが、なぜか印象に残った。
私を守るための熱のようでもあった。
◇◇◇◇◇◇
その日、夢を見た。
昨夜の神牙さんの言葉と、あの奇妙な視線が、ずっと胸に引っかかっていたからなのか。
ベットの中で目を覚ましても、なんだか眠った気がしない。
しかも──
「……夢、だったのかな」
夢の中で、どこか見知らぬ場所に座っていた。
ううん、あれは、地面に座らされていた?
黒い影がいくつも、私を見下ろしている。
周りも暗いはずなのに、黒い影の目だけは、ギラギラと闇の中で光っていた。
何かを囁かれていた気がするのに、目が覚めた今では思い出せない。
……それでも、あの恐怖だけはまだ、体に残っていた。